X線CT装置の選び方

最適なX線CT装置を選定する為には、製品の材質や大きさ、スキャンの目的などを考慮する必要があります。

代表的なポイントを以下に挙げてみます。

  • 1
    製品の材質と一番大きさな製品のサイズは?
  • 2
    スキャンの目的は内部観察?内部観察+計測?
  • 3
    必要な分解能は?
  • 4
    アーチファクト対策
  • 5
    計測の場合、精度はどの位必要?
  • 6
    スループット(データ取得に掛かる時間)
  • 7
    価格と納期、サポート体制やランニングコスト
  • 8
    装置の大きさ、重量、設置環境など

では、それぞれのポイント毎に詳しく見ていきましょう。

1.製品の材質と大きさ

このポイントにより、必要な「X線の最大出力」が決まり、「その大きさのサンプルが入る装置である事」も条件になります。

一般的にX線が通りにくい材料で、且つ肉厚があればある程、大きなX線の出力が必要になります。

 

2.計測の必要性

次に、どのようなデータが必要かを考えます。

X線CT装置の最大の利点の一つは「非破壊で内部のデータを取得出来る」ことなので、上記1のポイントをクリアしていれば、まずは内部観察で必要なボリュームデータは取得出来ます。(データの良し悪しはこの後考えます。)

もしもスキャンの目的が計測(測定)の場合は、「計測用X線CT装置」や「寸法測定用X線CT装置」と謳っている機種をお勧めします。

 

3.分解能

X線CT装置で分解能を考える場合は、「ボクセルサイズ」と「X線の焦点サイズ(スポットサイズ)」が主な指標になります。

「ボクセルサイズ」とはボリュームピクセルから来ている言葉で、3Dのピクセルの事です。これは検出器の仕様や製品の大きさ(それによる倍率)で決まります。ボクセルサイズが小さい方が、より細かな形状も取得出来ます。

「X線の焦点サイズ」はその製品をスキャンする時のX線の光源の大きさです。通常、X線の出力を大きくすると焦点サイズも大きくなります。焦点サイズが大きいと像がボケやすくなりますので、高分解能が必要な場合はX線管の焦点サイズも考慮する必要があります。

 

4.アーチファクト

特に金属や、アセンブリの製品をCTでスキャンする場合、「アーチファクト」を気にされる事がとても多いです。

内部観察の場合も計測の場合も、アーチファクトは少ない方が良いと思います。測定条件やサンプルのセットの仕方によってアーチファクトの出方も変わりますが、最終的にどこまで低減出来るかは装置によりますので、アーチファクトをポイントとする場合は、実際に貴社の製品でトライアルをし、比較される事をお勧めします。

 

 

 

5.測定精度

「計測用X線CT装置」や「寸法測定用X線CT装置」の場合、装置のスペックを載せている事が多いです。

例えばTomoScopeの場合は、「SD」、「E」、「P」という項目で精度を保証しています。

 

 

6.スループット

毎日、複数個のスキャンを想定されるのであれば、スループットもポイントになります。

製品1個あたりの「データ取得に掛かる時間+解析に掛かる時間」は短い方が良いと思いますが、時間を優先すると、データの質が落ちる場合があります。必要な質を確保しつつ、時間を最短にする機種や測定条件を選ぶ事が大事です。

TomoScopeの場合は、高速スキャンオプションやインライン対応モデルなどを揃えて、時間短縮のご要望にお応えしています。

 

7.価格やサポート体制

数百万円~億単位の機種まで、X線CT装置は様々なラインナップが出ています。

またX線管の種類等によりメンテナンスの頻度や金額も変わります。中々このあたりの情報は公開されていない事が多いので、該当機種を絞り込まれたら各メーカーへお問合せされる事をお勧めします。

 

8.装置の大きさや重量

いざご導入を検討される段階になると、よく気にされるポイントです。

設置予定場所に装置が置けるか(スペース、耐荷重、温度コントロールなどの観点)をご確認下さい。

 

 

X線CT装置の分類

因みに、弊社が扱うTomoScopeシリーズは寸法測定(計測)を強みにしていますので、上の分類では右半分のに該当します。小型モデルのTomoScope XSシリーズは右上、TomoScope SやLは右下に分類されます。

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